ロゴマーク:みんミ みんなでミュージアム

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目次:活動の記録

東北芸術工科大学×みんミ 「みんなの美術館」対面研修

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2026.09.29(火)

みんなでミュージアムでは、2026年度より、発行した冊子『みんなでミュージアム―ミュージアムと障害のある人をつなぐハンドブック』を活用した研修を展開しています。2026年8月から9月にかけて、山形県山形市にある東北芸術工科大学との共催、やまがたアートサポートセンターら・ら・らの協力のもと、研修を実施しました。

学生や教員、学芸員、障害のある人など、さまざまな立場の参加者が集い、一緒に「誰もが楽しめる場」について考えた今回の研修。その様子を、研修をともに企画し、実施にご尽力いただいた東北芸術工科大学の加藤絵美先生にレポートしていただきました。

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来る11月、山形美術館において、東北芸術工科大学が主催する「みちのおくの芸術祭」を開催する。ここでは多様なジャンルのアーティストが絵画や写真、映像のほか、演劇などの作品を発表する予定である。その中で、作品鑑賞を通じて来場者の皆さんに開かれた場を作りたい、美術館の敷居を下げたいと考え、山形県内の障害者の芸術活動を推進しているギャラリーら・ら・らの武田和恵さんに相談したところ、エイブル・アート・ジャパンのみんミに繋げてくださったのが、本研修のきっかけだった。

まず8月にオンラインでミュージアムアクセシビリティについての事前研修を行い、そして迎えた9月の対面研修には16名が参加した。まずはみんミの梅田亜由美さんより、自己紹介と本日の流れの説明の後、ミニレクチャーが行われた。今回の目的である、開かれたミュージアムにするためにネットワークと学びの場を作ることの大切さについてお話をいただいた。その後、学生が主体となり、予算や環境の制約を考えずに「こんなことをやってみたい!」と自由に意見を出し合う時間に。続いて教員・学芸員のほか、目の見えない方、耳の聞こえない方、車椅子ユーザーの方といったゲストの皆さんと意見交換を行った。グループ内での緊張も解け始め、ディスカッションが熱を帯びてくると、ドリームプランに現場での声が加わって進むべき方向が明らかになる。そして次のような、実際にミュージアムで行ってみたい作品鑑賞のためのプランが提案された。

  • ぐるぐる探検カード

作品についての知識がなくても楽しめるような、アートカードの提案。作品の持つ色や特徴などを、オノマトペや絵など親しみやすい手段によって説明していきつつ、作品を推測するもの。また目の見えない方のために、立体のカードを作っていたのも印象的だった。

  • みんなで じぶんで ミュージアム

静かに、あるいはおしゃべりしながら観たりと、人によって作品を鑑賞するのに好ましい状況は異なる。これを全て網羅できるような区分けをしながら作品を見る環境の提案。中でも感覚過敏の方のために音の大きさを知らせる、または休憩できるソファの位置を知らせるなどのマップを作ると、作品を観る計画や時間配分ができて良いのではというものでもあった。

  • みんなのデジャヴプロジェクト〜あれ、なんかこれ知ってる?

視覚だけではなく、五感全てを使い、たくさんの人が楽しめる鑑賞環境の提案。このグループにも目の見えない方がオブザーバーとして参加してくださったが、まさにその意見を取り入れたプランだったと思う。

  • アートプラントミュージアム

作品にまつわる「鑑賞すること」だけではなく、制作、体験を楽しむ展示の提案。対話型の鑑賞や、環境を変えての展示、また触れる展示など盛りだくさんの内容だった。

短時間ではあったが、実践的な内容が話し合われ、活き活きとした場であった。中でも梅田さんの、ミュージアムの使い方のイメージを広げておいて、様々な意見や制約に合わせて、現実的なプランに落とし込んでいくという言葉が印象に残っている。学生の自由な発想を、コミュニケーションをとりながら現実味を帯びたものにしていくというのは、とても効果的な方法であると思った。ここで出たプランを、みちのおくの芸術祭に活かし、様々な人と交流をしていきたいと思う。

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今回の研修では、学生の皆さんの自由な発想と、障害のある方をはじめとする参加者それぞれの経験や視点が交わり、「誰もが楽しめる場」に向けたさまざまなアイデアが生まれました。ここでの学びや対話が、11月に開催される「みちのおくの芸術祭」でどのような実践につながっていくのか、みんミ事務局も楽しみにしています。研修の企画・実施にご尽力くださった皆さま、ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。

みんミでは、これからも地域や立場を越えて学び合い、それぞれの現場に合ったミュージアムのあり方を、ともに考えていきます。

寄稿:加藤絵美(東北芸術工科大学基盤教育研究センター講師)
写真:三浦理彩子