
もっと気軽にミュージアムへ。
もっとつながるミュージアムを。
「みんなでミュージアム」(略称・みんミ)は、美術館や博物館に行きづらいと感じる人が、もっと自由にミュージアム※にアクセスできること、どんな人も、より豊かなミュージアム体験ができること、そんな仕組みや方法をみんなで学び合い、考えていくプロジェクトです。
※ミュージアム(博物館)とは、美術館をはじめ資料館、科学館、動物園、水族館など資料の収集や保管、展示を行う施設。歴史、芸術、民俗、産業、自然科学などさまざまな分野を含みます。
「みんミ」では、
次の3つのことをめざしています。
- ミュージアム・アクセス・パートナーとは
-
展示を見たり、ショップやカフェを利用したりなど、ミュージアムを楽しむサポートをする人。
障害のある人をはじめ、個々のニーズによってミュージアムの楽しみ方はさまざまです。好きなときに行きたいミュージアムに出かけられるよう、依頼する人の希望に沿って「みんミ」が適切なパートナーを紹介します。例:手話での鑑賞ガイド、視覚に障害のある人との対話鑑賞、在宅者向け訪問支援の情報提供、アクセスや利用のフォローなど。
- ミュージアム・アクセス・コーディネーターとは
-
ミュージアムのアクセスを支援し、ともに考える人。
誰もが安心してミュージアムを利用できるよう、適切な配慮と環境づくりをすすめます。「みんミ」ではミュージアムの希望に沿って、コーディネーターを紹介します。例:より良い環境づくりや情報保障のアドバイス、作品鑑賞方法の提案、ミュージアムスタッフの研修など。
- ミュージアム・アクセス・インフォメーションとは
-
さまざまな人とミュージアムの鑑賞を楽しむ環境形成の工夫や、だれもが参加できるイベントやプログラムの情報。
「みんミ」は、これらの情報を集約し、すでに取り組まれている全国の活動を積極的に発信していくことを目指します。
1ミュージアム・アクセス・パートナーを育てる・ともに活動する
2ミュージアム・アクセス・コーディネーターを育てる・ともに活動する
3ミュージアム・アクセス・インフォメーションを育てる・ともにひろげる
プロジェクトの構想
「みんミ」は、ミュージアムに行きたい支援を必要とする人とミュージアムを中立的な立場でつなぎ、活動を支援する仕組みづくりや試行的な実践を重ね、その成果を全国に普及・展開するために、5年計画で取り組む事業です。
これまでの活動
2021年度
- 詳しく
-
次の2つのワーキンググループを立ち上げ、「事業化検討会議」として年間27回のミーティングを行い、それぞれの視点から現状と課題、ニーズを把握することで、「みんミ」の役割を考えていきました。
「みんミ」の活動として何が必要かリサーチし、活動に必要な資質、能力、人員等を検討する人材グループ
- 太田好泰(フリーランス)
- 梅田亜由美(エデュケイター)
- 安曽潤子(インクルーシブミュージアム代表)
プロジェクトの活動を機能させるシステムの構築、およびビジネスモデルの形成を検討するシステム構築グループ
- 熊谷 薫(アートマネージャー/合同会社ARTLOG代表/東海大学広報メディア学科講師)
- 松島宏佑(システムデザイナー/クリエイティブファシリテーター)
- 詳しく
-
障害当事者と鑑賞の支援者、ミュージアム関係者(2021年度は美術館に限定)、中間支援組織、ビジネスモデル組織へヒアリング・インタビューを実施し、ご意見や事例を伺いました。
- 障害当事者:計16件 視覚に障害のある人:2名/聴覚に障害のある人:4名/自閉・発達障害のある人:1名/知的障害のある方とご家族:2組/精神障害のある人:4名/身体障害のある人:2名/若年性認知症の人:1名
- 鑑賞の支援者:計6件 視覚障害のサポートに関わる人:2名/聴覚障害のサポートに関わる人:3名/自閉・発達障害のサポートに関わる人:1名
- ミュージアム関係者(順不同):計8件 東京都美術館/東京都現代美術館/徳島県立近代美術館/森美術館/はじまりの美術館/国立新美術館/Museum of Fine Arts Boston(アメリカ・ボストン)/The Museum of Modern Art(アメリカ・ニューヨーク)
- ビジネスモデル(順不同):4件 Sunny Bank/ARDA/ガイドヘルパーズ/伊藤達矢(東京藝術大学社会連携センター特任准教授)
- 中間支援組織(順不同):5件 公益社団法人全国公立文化施設協会/東京都歴史文化財団/オープンアーツネットワーク/The Museum, Arts and Culture Access Consortium(アメリカ・ニューヨーク)/Shape Arts(イギリス・ロンドン)
- 詳しく
-
ヒアリングとインタビューにより明らかになった課題の解決に資する分野の方を有識者としてお招きし、ワーキンググループにて意見交換を行いました。
アドバイス協力
- 伊藤芳浩さん(NPO法人インフォメーションギャップバスター代表)
- 逢坂恵理子さん(国立新美術館館長)
- 杉浦幸子さん(武蔵野美術大学教授)
2021年にスタートした「みんミ」は、「人」と「システム」に焦点を当てた2つのワーキンググループを立ち上げ、ヒアリング調査を行いました。調査から明らかになった現状の課題やニーズから、必要な人やシステム、プロジェクトの役割を構想しました。
ワーキンググループによるミーティング
ヒアリングとインタビュー
「みんミ」構想にむけた意見交換
2022年度
- 詳しく
-
活動内容ごとにチームを構成し、コミュニケーションツールを活用しながら活動を進めるとともに、月1回のペースで年間11回のミーティングを実施し、「みんミ」の方針を考えてきました。
みんなでミュージアムプロジェクトメンバー
- 梅田亜由美(エデュケイター)
- 松島宏佑(アーティスト/クリエイティブファシリテーター)
- 戸塚愛美(エデュケイター)
- 西田まや、柴崎由美子、平澤咲、原衛典子、高橋梨佳、今野優紀(みんなでミュージアム 事務局)
- 詳しく
-
多様な人を受け入れたいミュージアムと、ミュージアムに行きたいけれど行きづらい人。その双方をつなぎ、持続可能な方法を考え、より良い環境をともにつくっていくために、首都圏(東京・埼玉)・京都・宮城にて事業モデルに取り組みました。また、必要な人材像を明らかにし、人材育成の研修に向けたプログラムを検討するために、有識者を交えた会議を実施しました。
-
ミュージアム・アクセス・コーディネーター実践(埼玉・宮城)7件
さいたま市大宮盆栽美術館(埼玉)/視覚障害
さいたま市立漫画会館(埼玉)/視覚・聴覚障害
せんだいメディアテーク(宮城)/視覚・聴覚・知的・発達障害 -
ミュージアム・アクセス・パートナー実践(東京・京都・宮城)7件
東京/知的障害・自閉症
京都/視覚障害
宮城/視覚・聴覚・知的・発達障害 -
人材育成会議(有識者との意見交換・情報交流・勉強会):9件
協力:NPO法人ドネルモ、清水潤子さん(武蔵野大学人間科学部社会福祉学科助教)、
熊谷薫さん(アートマネージャー/合同会社ARTLOG代表/東海大学広報メディア学科講師)
-
ミュージアム・アクセス・コーディネーター実践(埼玉・宮城)7件
さいたま市大宮盆栽美術館(埼玉)/視覚障害
- 詳しく
-
「みんミの“わ”」は、各地の活動を紹介し、集う人の交流を目的とするオンラインプログラムです。
参加者が同じ輪のなかで自分の気づきや感じたことを安心して伝えあえる、フラットな場を目指しています。障害のある人やその支援者、多分野のミュージアム、福祉・教育関係者、企業、行政、学生など、さまざまな立場の人が専門性を超えて学びと交流をともにしました。「みんミの“わ”」:6回
- ・第1回:「みんなでミュージアム」これまでの活動と、これからのこと
- ・第2回:「みんなでミュージアム」のヒアリングから、海外団体の取り組み
- ・第3回:六本木アートナイトインクルーシブプログラムの実践紹介
- ・第4回:人とミュージアムをつなぐコミュニケーターって?
- ・第5回:「手話で楽しむ植物園」と「植物園のUD」の取り組み
- ・第6回:クローズド「ヒアリングレポートの読み合わせ会」
シンポジウム:1回
- 詳しく
-
文化芸術の領域で実践的な活動を行う団体や協議会との連携のため、各機関の代表や専門家とともに計4回の意見交換を行いました。
活動の2年目は、ミュージアムに行きたい支援が必要な人とミュージアムをつなぐ方法を検討するため、ミュージアムとの実践型協働を行いました。また、「みんミ」に関心をもつ人との交流の場や、活動をともにする仲間づくりのため、1年を通してオンラインプログラムや相談支援に取り組みました。
みんなでミュージアムのメンバーによるミーティング
ミュージアムとの実践型協働を通した人材育成プログラムの実施と開発会議
オンラインプログラム「みんミの“わ”」
提言活動
相談窓口の設置と対応
情報発信
2023年度
- 詳しく
-
ミュージアムに伴走し、誰もが安心して利用ができるように適切な配慮と環境形成をすすめるミュージアム・アクセス・コーディネーター(以下、コーディネーター)の研修を行いました。ミュージアムの課題を抽出し、コーディネーターの役割を試験的に体験することで、人材の育成につなげることを目指しています。
- 聴覚障害/さいたま市⽴漫画会館(埼玉)、江東区中川船番所資料館(東京)
- 視覚障害/紅ミュージアム(東京)、横浜市民ギャラリー(神奈川)
- 発達障害/横浜市民ギャラリー(神奈川)
- 詳しく
-
ミュージアムに行きたい障害のある人やその支援者に伴走してミュージアム体験をともにつくるミュージアム・アクセス・パートナー(以下、パートナー)の役割の検証と、その育成を目的とした実践を行いました。
- 知的障害、ダウン症/三鷹の森ジブリ美術館(東京)
- 重症心身障害/日本科学未来館(東京)、かわさき宙(そら)と緑の科学館(神奈川)
- 視覚障害、聴覚障害/秋田県立近代美術館(秋田)
- 詳しく
-
活動内容ごとにチームを構成し、コミュニケーションツールを活用しながら活動を進めるとともに、月1回のペースで年間12回のミーティングを実施し、活動方針を考えてきました。
みんなでミュージアム プロジェクトメンバー(外部3人、事務局8人)
- 梅田亜由美(エデュケイター)
- 松島宏佑(アーティスト/クリエイティブファシリテーター)
- 戸塚愛美(エデュケイター)
- 西田まや、渡邊 遥、水野拓哉、平澤 咲、原衛典子、今野優紀(みんなでミュージアム事務局/NPO法人エイブル・アート・ジャパン東京事務局内)
- 柴崎由美子、髙橋梨佳(みんなでミュージアム事務局/NPO法人エイブル・アート・ジャパン東北事務局内)
- 詳しく
-
「みんミの”わ”」は、さまざまな立場の人が日本全国からオンライン上に集い、参加者同士の交流とネットワークづくりを目指して、2022年度から継続的に開催しているプログラムです。約2時間のプログラムでは、事例共有や情報交流のほか、障害のある当事者やその支援者、ミュージアムの学芸員や学生など幅広い参加者がそれぞれの立場を超えて語り合い、お互いの経験の共有を通して学びや考えを深めています。
「みんミの“わ”」:4回
- ○第6回:「パートナー」「コーディネーター」の活動紹介と募集案内
- ○第7回:みんなの失敗とモヤモヤから考える、ミュージアムとアクセシビリティ
- ○第8回:みんなの「うれしかった体験」と「小さな試み」から考える、ミュージアムとアクセシビリティ
- ○第9回:一本の展覧会を例に考える、ミュージアムから遠い人とミュージアムをつなぐアクセシビリティの取り組み
シンポジウム:1回
- 詳しく
-
文化芸術の領域で実践活動を行う類似した団体や協議会との連携のため、各機関の代表や専門家に働きかけ、情報発信やミュージアム・アクセス事業の環境形成にかかる提言活動を継続しています。
活動の3年目は、パートナーとコーディネーターの育成に取り組むと同時に、システムの運用開始期として、事業モデルとなる実践事例等をもとに事業の基盤整備に取り組みました。また、全国への波及に向けたネットワークの構築に着手しました。
ミュージアム・アクセス・コーディネーターの実践、研修(東京・神奈川・埼玉)5件
ミュージアム・アクセス・パートナーの実践、研修(東京・神奈川・秋田)7件
みんなでミュージアムのメンバーによる事業化定例会議
人材育成会議(有識者との意見交換・情報交流・勉強会の実施)
相談支援
オンラインプログラム「みんミの“わ”」
提言活動
情報発信
2024年度
- 詳しく
-
活動内容ごとにチームを構成し、コミュニケーションツールを活用しながら活動を進めるとともに、月1回のペースで年間12回のミーティングを実施し、活動方針を考えてきました。
みんなでミュージアム プロジェクトメンバー(外部3人、事務局7人→5人)
- 梅田亜由美(エデュケイター)
- 松島宏佑(アーティスト/クリエイティブファシリテーター)
- 平澤 咲(コミュニティ・アーティスト/福祉とあそびから生まれる八王子のライフ&カルチャー「かてコト」主宰)
- 渡邊 遥、鹿島萌子、原衛典子、今野優紀(〜8月)、水野拓哉(〜8月)(みんなでミュージアム事務局/NPO法人エイブル・アート・ジャパン東京事務局内)
- 柴崎由美子、髙橋梨佳(みんなでミュージアム事務局/NPO法人エイブル・アート・ジャパン東北事務局内)
- 詳しく
-
昨年に引き続き相談窓口を設け、ミュージアム関係者、障害のある人、関心のある企業や個人からの相談に対応しました。なかには、相談支援から企画・協力に発展したものもあります。
- 詳しく
-
ミュージアム体験の機会がまだまだ少ない障害のある人や支援者からよせられる相談をベースに、それぞれのニーズに寄り添って活動し、その実践知をレポートにまとめました。
- 地域の団体と連携した障害のある人とない人のミュージアム体験(東京)
- 障害のある人もない人も、みんな一緒にたのしむゆったり鑑賞アワー@エスパス ルイ・ヴィトン東京(東京)
- NPO法人Arts Initiative Tokyo [AIT] ディア ミー 多様な人と体験する、美術鑑賞と創作のワークショップ「新たな鑑賞の楽しみ方を見つける、アートと心のインスピレーション・プログラム」【企画協力】
- 詳しく
-
ミュージアムや企業、民間団体等からよせられる相談や課題に対し、障害のある当事者コーディネーターとともに環境整備を行いました。そのほか、学芸員向けの合理的配慮に関する研修、手話通訳や文字通訳等の情報保障の質の改善、アクセス・プログラムの開発なども実施しました。
- 第8回横浜トリエンナーレ「オンラインで楽しむ妄想モクモク鑑賞会」を終えて【企画協力】
- NCARシンポジウム 003「美術館のアクセシビリティ― 共生社会に向けて、対話のある“合理的配慮”とは?」【会場運営サポート】
- 六本木アートナイト2024 インクルーシブ・アート・プログラム【企画協力】
- 川崎市立日本民家園【企画協力】
- 埼玉県立近代美術館【企画協力】
- 「こんな美術館があったらいいな」からはじまるミュージアム・アクセス:ねりまフォーラム実行員会×障がい児・者の学びを保障する会×みんミの協働【企画協力】
- 宮城県文化振興財団「社会包摂研修」アウトリーチ担い手育成事業【企画協力】
- 仙台・宮城ミュージアムアライアンス(通称SMMA)研修会【企画協力・講師】
- 「山形県の文化施設においてのアクセシビリティ向上を考える」研修会【企画協力・講師】
- 福島県博物館連絡協議会「アクセシビリティ研修」【企画協力】
- 安曇野アートライン推進協議会「アクセシビリティ講座」【講師】
- 岐阜県美術館2024年度ながラ〜実践ゼミ「だれもが集まれる、だれもが楽しめる美術館を考える」【講師】
- 共通言語としてのアートが生む新しいつながり〜愛媛県美術館「オンライン鑑賞会」の実践〜【企画協力】
- 鳥取県アートミュージアム連携協議会加盟館学芸員等研修会【講師】
- 詳しく
-
「みんミの”わ”」は、さまざまな立場の人が日本全国からオンライン上に集い、参加者同士の交流とネットワークづくりを目指して、2022年度から継続的に開催しているプログラムです。約2時間のプログラムでは、事例共有や情報交流のほか、障害のある当事者やその支援者、ミュージアムの学芸員や学生など幅広い参加者がそれぞれの立場を超えて語り合い、お互いの経験の共有を通して学びや考えを深めています。
「みんミの“わ”」:3回
- 詳しく
-
ロジックモデルを策定し、活動の成果やみんミが目指す状態を明確化しました。目指すモデルに向けて、文化芸術の領域で実践活動を行う類似した団体や協議会との連携のため、各機関の代表や専門家に働きかけ、情報発信やミュージアム・アクセス事業の環境形成にかかる提言活動を継続しています。
- 文化庁委託事業「令和6年度障害者等による文化芸術活動推進事業」 国立アートリサーチセンター(NCAR) ミュージアム・アクセシビリティ講座「ふかふかTV」講座出演
- NCAR DEAI調査レポート4「感覚過敏の症状のある人たちに向けた試み」
- NCAR DEAI調査レポート5「ミュージアムと合理的配慮――発達障害がある人の事例から」
提言活動(一部外部ページへのリンクあり)
活動の4年目は、実践事例等をもと事業モデルの普及に取り組みました。また、全国への波及に向けたネットワークの拡大にも取り組みました。