ロゴマーク:みんミ みんなでミュージアム

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目次:活動の記録

【活動紹介】博物館・美術館におけるアクセシビリティ向上に向けての研修会

  • 報告レポート

2023.02.08(水)

みんなでミュージアムでは、ミュージアムのアクセシビリティに関する相談窓口を設置しています。「もっと障害のある人に展示を楽しんでほしい!」というミュージアム関係者や、「ミュージアムに行ってみたい!けど、不安がある」という多様な人たちの相談を受けています。

昨年、みんミは福島県博物館連絡協議会から相談を受けました。普段から「障害のある人にも、もっとミュージアムに来てほしい!」と思っているものの、「来てもらうための課題って何だろう?」「どうやって解決したらいい?」と、いつもモヤモヤっとした気持ちを抱えているとのこと。そんな相談について8月からたくさんの打ち合わせを重ね、みんミは福島で研修会をすることになりました。

11月末、清々しい秋の空気を感じながらいざ福島へ。研修会には、福島県内のミュージアム11館から14人の参加者が集まりました。テーマは「博物館・美術館におけるアクセシビリティ向上に向けての研修会〜合理的配慮の視点から障害者への対応を考える〜」。

みんミが大切にしたのは、研修がテーマを考える場であるとともに、障害のある当事者の人たちと、ともに考え、話し合う場になるということ。

今回は、視覚に障害のある鈴木祐花さん、聴覚に障害のある根本和德さんに協力をお願いし、日常のエピソードを話してもらったり、ミュージアムのみなさんと一緒にグループワークに参加してもらったりしました。

盲導犬といつも一緒の鈴木さんには、同行が難しい場所もあるとのこと。訪問先で点字がゆっくり読めたり、触れる模型があるとうれしいという話は、ミュージアムでも活かせそうです。根本さんからは、UDトークなど機器任せでなく、顔を合わせたコミュニケーションを求めているとの話があり、人と人の関わりが大切なことを改めて認識する時間となりました。

2人の話の後は、ファミレスのメニューを使ったグループワーク。最初は皆さん緊張した面持ちでしたが、ここから一気に和やかな雰囲気に。普段見慣れたメニューは、どんな人を意識して、どんな工夫や配慮がされているのでしょう。じーっとメニューを見つめ、「いろんな言語で書かれている!」「カロリーが書かれているね」と、会話も自然に弾みます。

続いて、各館でどんな課題があるのかを紙に書き出し、話し合うグループワーク。手が止まって話し込んでいる様子も……。最後は課題を解決するアイデアを出し合いました。どんどん発展したり、違う方向に行ったり、まさに青天井。自由に考えるのはとても楽しい!

出てきたアイデアは、「視線に合わせて作品が上下する展示」のようなユニークなものから、「受付の研修(これはたくさん話されていました)」といった現実的なものまで、さまざまでした。「あまりアイデアが出なかったんだよ」とのコメントも。いいんです。みんなで一緒に考えて、感じたことを言葉にしてみることが、解決への第一歩!あっという間の2時間半。

今後の福島県のミュージアムの活動をみんミは楽しみにしています!

写真提供:はじまりの美術館
レポート:西田 まや(みんなでミュージアム プロジェクトメンバー/エイブル・アート・ジャパン)