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目次:活動の記録

静岡県立美術館・アクセシビリティに関するスタッフ研修レポート

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  • 報告レポート

2025.08.08(金)

美術館の看視・案内業務などを担う人材サービス会社「ベルキャリエール」からの依頼を受け、2025年7月、静岡県立美術館にてミュージアムアクセシビリティに関する研修を実施しました。参加したのは、来館者と直接コミュニケーションする機会の多い約20人の現場スタッフのみなさんです。

依頼の際に「視覚に障害のある人への対応について課題を感じている」との相談があったこと、実施日が休館日で館内に利用者がいない環境だったことから、今回は視覚障害のミュージアム・アクセス・コーディネーター(以下、コーディネーター)の木下路徳(きのした・みちのり)さんとともに館内をまわりながら(観察しながら)研修を行いました。この研修では、静岡県立美術館で実際にあった具体的な事例も取り上げ、対応について意見交換することがメインとなりました。

講義室で行われているレクチャーの様子の写真。前方にスライドが投影され、参加者がテーブルに着席して講師であるコーディネーターの話を聞いている。

最初の講義では、木下さんへのインタビュー形式で、事前に集めた疑問についてアドバイスをもらいました。

展示室入り口の受付カウンターの前で意見交換を行っている様子の写真

ロダン館のなかで意見交換を行っている様子の写真

次に、会場(現場)へ。事前に、どういった困りごとが発生するかを洗い出してもらい、木下さんへ相談・意見を伺いました。スタッフのみなさん、真剣にメモしていました。

 

グループワークの様子の写真。大きな模造紙にカラーペンで意見を書き込む参加者たち。

最後は講座室に戻り、グループごとに気づきを共有・振り返りを行い、研修は無事終了。スタッフそれぞれに気づきが多くあり、盛り上がりました。

 

当日参加いただいた現場スタッフと木下さんがコメントを寄せてくださいましたので、紹介します。

 

「受講前後でスタッフの表情が大きく変化したことに驚いています。研修前は不安げでモヤモヤした面持ちでしたが、研修後には皆、晴れ晴れ、スッキリした笑顔になっていました。研修では「障害がある方への対応の方法」というよりも「接する際に大切にしたいマインド」にフォーカスし具体的な助言をいただきました。今後、どのようなお客様が来られても、臆さず、自ら考え、行動してみようと思えるようになったことが大きな成果です。」(静岡県立美術館 受付看視スタッフ統括責任者)

「今回、私がこの研修で一番印象に残ったのは、参加したみなさんがとても明るく、フレンドリーだったことです。研修が始まる前から和気藹々とした雰囲気で、私もリラックスして臨むことができました。
研修の時間がタイトだったので、参加者のお名前を聞けずに始まったのですが、移動の際、私を手引きしてくれた人が最初に名前を名乗ってくれたり、最後の別れ際に、みなさんが名前と感想を伝えてくれて、とてもうれしかったです。
またみなさんに会いに、この美術館を訪れたいと思います。
ありがとうございました。」(ミュージアム・アクセス・コーディネーター 木下路徳)

 

みんミでは、このような研修や取り組みのサポートも行っています。
ミュージアムアクセシビリティに関するご相談、お気軽にお寄せください。

 


コメント寄稿:木下路徳(ミュージアム・アクセス・コーディネーター)、静岡県立美術館 受付看視スタッフ統括責任者
執筆・編集:梅田亜由美(みんなでミュージアム・プロジェクトメンバー)、みんなでミュージアム事務局