仙台・宮城ミュージアムアライアンス(通称SMMA)研修会 実施報告
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2025.03.28(金)
2024年4月1日、障害者差別解消法の改正により、「合理的配慮」の提供が公的施設だけでなく民間事業者においても完全義務化されました。ミュージアムや劇場・音楽ホールなどの文化施設でも、合理的配慮について学ぶ研修の機会が増えています。みんミでは、「仙台・宮城ミュージアムアライアンス」(通称SMMA)と呼ばれる仙台・宮城地域のミュージアム16館が連携する組織と共に、合理的配慮やアクセシビリティについて学ぶ研修会を2回開催しました。みんなでミュージアムは、研修会の企画協力と、ファシリテーターを務めました。
1回目「ミュージアムにおける‘合理的配慮’を考える」
日時:2024年11月6日(水)14:00~16:00
会場:せんだいメディアテーク/オンライン
講師:柴崎由美子、髙橋梨佳(みんなでミュージアム事務局/NPO法人エイブル・アート・ジャパン)
前半は、合理的配慮の背景となる法律や、全国のミュージアムの取り組み状況、障害のある人へのアンケート調査などから、課題や必要とされる取組を確認。その後、実際にミュージアムで起こった合理的配慮の事例をもとに、大事な考え方や対話のプロセスを学びました。後半はグループにわかれ、研修参加者の体験談を共有し合いました。失敗談も含めて、お互いの経験から工夫や対話のポイントを確認することができました。
アンケートの声
「すぐに改善できなくても、できるところから始めるという意識を持つことができた。」
「身近な周りの館で起こった事例がきけて、とてもためになりました。」
2回目「仙台市博物館で‘DEAI’をともに考える」
日時:2025年2月12日(水)14:00~16:00
会場:仙台市博物館
講師:大久保彩幸・菊地弘行(NPO法人アイサポート仙台)、阿部日菜乃、浅野春香
SMMA参加館の一つである仙台市博物館を会場に、1回目の参加者から要望のあった視覚障害、発達障害、精神障害のある人への配慮について学ぶ研修を実施しました。前半は、視覚障害のある人の支援センター職員とその利用者、発達・精神障害のある当事者から、ミュージアムに行くまでの工夫や鑑賞の際に必要な配慮、展覧会やイベントなどの情報発信のアイディアについて話がありました。後半は、展示室に移動し、展示空間や鑑賞の方法、解説の内容などについて、障害のある人の視点から考えました。
*‘DEAI’ とは、 Diversity(ダイバーシティ):多様性、 Equity(エクイティ):公平性、 Accessibility(アクセシビリティ):参加のしやすさ、 Inclusion(インクルージョン):包摂性の頭文字をとった言葉です。
アンケートの声
「事前にお知らせすることで、またちょっとした配慮で、楽しく見学ができるということを学ぶことができました。」
「障害のことや、それぞれが感じていることをたくさん話してくれたので、どんなふうに考えているのか、何に困っているのかよくわかった。」
実施概要
令和6年度文部科学省委託事業「学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業」
仙台市・生涯学習を通じた共生社会推進事業
仙台・宮城ミュージアムアライアンス研修会
主催:仙台・宮城ミュージアムアライアンス
企画協力:NPO法人エイブル・アート・ジャパン(みんなでミュージアム事務局)
執筆:髙橋梨佳(みんなでミュージアム事務局)